今回は、「数学を学ぶということは、どういうことなのか」ということについて書いてみたいと思います。 少し大げさに聞こえるかもしれませんが、数学を学ぶことは、物事の本質を知ろうとしてきた祖先の知恵を学び、それを活用するためのトレーニングをすることです。ではその「物事」とは何をさすのでしょうか。それは、天地間の万物、つまり宇宙を含めた自然です。この自然界にはどういう法則が潜んでいるのか。それを我々の祖先は数字を道具として使いながら解き明かしてきました。広辞苑で「数」と引くと「①物が幾つあるかを表わすところの観念 ②数の観念を操作する術。転じて、物事を計数的な面から捉えること」とあります。まさに、人間は数字という実体のないものを生み出して、それを道具として大いに活用することで何とか物事を計数的にとらえようとしてきたわけです。そして、その成果を自分たちの生活に役立たせることに挑戦し続けています。今我々が日々恩恵を受けている様々な科学技術には、数学が応用されています。 数学の成績を上げたいと考えている学生の皆さん。皆さんは、数字という強力な道具や祖先が導き出してくれた定理をまず自分のものにする必要があります。そしてそれができたら、それを使って、それをいかにうまく使いこなして問題を解くか、ということにどんどんチャレンジしてみましょう。それこそが数学の学力アップへの道です。
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