3.新しい学習指導要領で育む資質・能力

「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の3つの柱のこと

 

新しい学習指導要領では、教育課程全体や各教科などの学びを通じて「何ができるようになるのか」という観点から

「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の3つの柱からなる「資質・能力」を総合的にバランスよく育んでいくことを目指します。


「知識及び技能」は、個別の事実的な知識のみでなく、習得した個別の知識を既存の知識と関連付けて深く理解し、社会の中で生きて働く知識となるものも含むものです。

 

そして、その「知識及び技能」をどう使うかという、未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力など」、学んだことを社会や人生に生かそうとする「学びに向かう力、人間性など」を含めた「資質・能力」の3つの柱を、一体的に育成します。

 

 

4.新しい学習指導要領の下で学ぶ内容

「外国語教育」や「プログラミング教育」などが充実します

 

これからの子供たちは、グローバル化や情報化などによる社会の変化に対応し、また、自分たちを取り巻く様々な社会の課題に向き合い、解決しようとする力が必要となってきます
そのような資質・能力を育むために、新たな学習指導要領では、小学校段階から中学校段階、高等学校段階を通じて、次のような教育の充実を図ります。

 

・言語能力の育成
言語能力はすべての学習の基盤となる力です。国語だけでなく他の教科等でも、レポートの作成や議論などの言語活動を行い、教育課程全体を通じて言葉の力を育みます。

 

・外国語教育
小学校3・4年で「外国語活動」が、小学校5・6年で教科としての「外国語」が導入されます。高等学校卒業までに外国語でコミュニケーションできるようになることを目指し、「聞く」「読む」「話す」「書く」の力を総合的に育みます。

 

・プログラミング教育
小学校では「プログラミング教育」が必修化されます。コンピュータに意図した処理を行わせるための論理的な思考力「プログラミング的思考」などを育みます。また、中学校においてプログラミングに関する内容を充実するとともに、高等学校では必履修科目「情報Ⅰ」を新設し、全ての生徒がプログラミングのほか、ネットワークやデータベースの基礎などについて学習します。

 

・理数教育の充実
観察・実験などによる科学的に探究する学習活動や、データを分析して課題を解決するための統計教育を充実します。

 

・道徳教育
様々な課題に「自分ならどうするか」と向き合い、自分とは異なる意見をもつ他者と議論する授業などを通じて道徳性を育みます。小・中学校では「特別の教科 道徳」が新設されます。

 

・伝統や文化に関する教育
我が国や郷土が育んできた日本の伝統や文化を学びます。

 

・主権者教育
選挙権年齢が18歳に引き下げられ、2022年度からは成年年齢が18歳に引き下げられます。高等学校では、公民科に全ての高校生が学習する必履修科目「公共」を新設します。一人一人が主権者意識を持ち、社会の中で自立し、他者と連携・協働して社会に参画していく力を育みます。

 

・消費者教育
2022年度から成年年齢が18歳に引き下げられ、18歳から一人で有効な契約ができるようになる一方、保護者の同意を得ずに締結した契約を取り消すことができる年齢が18歳未満までとなることから、自立した消費者を育むため、契約の重要性や消費者の権利と責任などについて学習します。

このほかにも、「体験活動」「起業に関する教育」「金融教育」「防災・安全教育」「国土に関する教育」などの充実が図られます。

 

5.「どのように学ぶか」も重視

キーワードは「主体的・対話的で深い学び」の視点

 

資質・能力を育むために、新しい学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」の視点からの授業改善を重要視しています。それでは、主体的・対話的で深い学びの視点とは、どのような視点なのでしょうか。

1)「主体的な学び」の視点
学ぶことに興味や関心を持ち、自分の進路や職業などの方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげるような学びになっているかという視点。

 

2)「対話的な学び」の視点
子供同士が目標を共有し力を合わせて活動をしたり、先生や地域の人との対話や先人の優れた考え方を手掛かりに考え、自分の考えを広げ深めるような学びになっているかという視点。

 

3)「深い学び」の視点
各教科等で、その教科等なりの「見方・考え方」を学ぶだけでなく、様々な教科等で学んだ見方・考え方を相互に関連付け、自分なりに問題を見いだし解答を導きだせるような学びになっているかという視点。

このように、子供たちが能動的(アクティブ)に学び続ける「アクティブ・ラーニング」の視点から、「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」を重視して、学校の授業を改善していきます。子供たちが学んだ一つ一つの知識がつながり、「わかった」「おもしろい」と思える授業、周りの人たちと共に考え、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業などを工夫して、子供たちの資質・能力を育んでいきます。

 

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