塾で子供たちに学習指導をしていて、特に感じるのが国語という教科の重要性です。国語というと「ある程度センスの問題だから、勉強してもあまり変わらない」などと思われることが多い教科です。確かに普段私たちは母国語として日本語を使っていますので、国語に関しては英語や数学ほど勉強しなくてもある程度何とかなると思われてしまうのも無理はありません。
しかし、しっかりとした国語力を身に着けるためにはやはり英語や数学のように体系的に学習する必要があります。
しっかりとした国語力とは何でしょうか。たとえば、言葉の知識が豊富であり、言葉の意味を文脈に添って的確に読み取ることができる力。豊富な語彙を適切に使い分けて文章や会話でものごとを表現し読み手・聞き手に伝える力。品詞や敬語、指示語などの文法事項を理解し、文法に則った言葉の使い方ができる力。文章や会話の中にある情報を的確にくみ取る力。これらの力の複合したものがしっかりとした国語力といえるのではないでしょうか。
国語力が必要とされ、試されるのは、テストのときだけではありません。むしろ学生時代が終わり社会に出た時に、本当の意味で国語力が必要とされます。人は考えるときに言葉を使って考えますので、言葉を知り、そこにある概念を理解することは、論理的に考える力やものごとを分析する力、判断する力、発想する力、問題を解決する力などにとって欠かせないものです。
これらの力は社会に出て人との関わりの中で仕事をして生活するときの、いわばより良く生きるための力といえるものですから、社会でより良く生きるためには国語力が必須であるということになります。
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